タロット占いとは、「タロット(tarot)」呼ばれるカードを使った占いのことです
今日、占いに用いられているスタンダードなタロット・カードの枚数は全部で78枚。また、その78枚のカードは、22枚の「大アルカナ(Major Arcana)」と56枚の「小アルカナ(Minor Arcana)」に分けられます。
タロット・リーダー(タロット占いを行う人のこと)は、カードをシャッフルし、そこから偶然に出てきたカードによって、質問の答えを導き出します。
タロット占いには、大アルカナと呼ばれる22枚のカードだけを使う方法と、小アルカナと呼ばれる56枚のカードも合わせて計78枚で占う方法がある。少々特殊ではあるが、小アルカナのみを使う占いもある。
まずカードを裏向きにして机の上に置きシャッフルする。そしてシャッフルしたカードの中から数枚を引いて机の上に並べる。
カードの並べ方には様々なものがあり、カードの並べ方のことをスプレッドと呼ぶ。 それぞれのカードには意味があり、カードの絵柄がそれを表している。
ここから占い結果を読み取る(リーディング)。カードの名称から辞書的に意味を調べるだけでなく、カードに描かれている光景を基に意味を感じ取ることも必要である。カードの意味は正位置(上下の向きが正しい状態)・逆位置(上下逆さまの状態)で意味が変わってくる。正位置はカードの本来の意味を表し、逆位置は別の捉え方(影響が弱い)をしたものである。
タロット占いの歴史
タロットの起源を古代エジプトや古代ユダヤに求める説もありますが、どうも学問的な根拠は無いようです。「トランプから派生した」というのが有力なようですが、タロットの正確な起源は分かりません。
記録上辿れる限りでは1392年の「シャルル6世のタロット」が最も古いものですが、現存しておらず細かな記録も残っていません。現在のタロットと同じようなものだったのか別物だったのか、まったくの不明。
次に古いのは、1415年の「ミンキアーテ版」。これもカードは現存していませんが、後世に作られた複製が残っているので内容を知ることはできます。これによると配列順や名前・絵柄が現在の大アルカナとは違っているところもあり、現在の大アルカナの「枚数・順番・名称・絵柄」は当時まだ確立していなかったことが分かります。しかし他の記録と合わせると、この時期にはすでにタロットカードは広く知られていたもよう。また、当時は、貴族や富豪の為に画家が手描きで描いて作製していたとのこと。
16世紀頃から木版画の量産品が出回るようになり、一般庶民にも広がっていき全ヨーロッパへと普及しました。当時はタロットゲームによるギャンブルは盛んで、風紀を乱すという理由から何度も禁止令が出たいました。
この頃はまだトランプとほぼ同じ扱いだったんですね。
いわゆる現在のマルセイユ版とほぼ同じ図像・絵柄が確立したのは、1650年頃のパリで発行された「ジャン・ノブレ版」。これと同じ系統のものが18世紀頃にはミラノ周辺でも生産されるようになり、当時一大生産地となったマルセイユにちなみ「マルセイユ版タロット」と呼ばれるようになります。
また、この時期はフランス革命などで社会が混乱していました。その不安を背景に、タロットを神秘的な物と見る風潮が高まって占いにも多用されるように。最初の職業タロット占い師であるエッティラなども登場。本格的なタロット占いの起源は18世紀ごろであり、意外と最近の話なのです!
エッティラは最初の体系的なタロット占い術を生み出しました。エジプト起源説によってタロットに神秘主義的な意味づけをし、タロット占いに初めて「逆位置(リバース)」という解読法を加え、小アルカナの4スートに四大元素を当てはめ、さらに初めてタロットと占星術を具体的に結びつけ大アルカナから3枚を除いた19枚に7惑星や12星座との関連を与え「机上の占星術」という方向性を与えます。これらのタロット大革命により、エッティラは現代につながる神秘主義系タロットの開祖だと言えるでしょう!
さらには、新解釈のタロットも制作。タロットの順番が長い歴史の間に誤って伝わってきたと主張して、独自の考えに基づいて大幅なカードの順番入れ替えと絵柄の変更。初の占い専用でしかも美麗なオリジナルデザインの「エッティラ版タロット」デッキを作成します。このタロットはヘルメス哲学・錬金術・旧約聖書・ヌメロジーなども取り込んだもので、のちに数多くの独創的なオリジナルタロットが創作されるきっかけになったと考えられています。
これらの影響を受けて「高等魔術の教義と儀式」「形成の書」「ジプシーのタロット」などのオカルト系の書物が書かれたり、「薔薇十字会」「黄金の夜明け団」といった組織が作れるなどタロット占いは神秘主義・魔術・オカルトと深く結び付けられていきます。
占いねこでも使用中のライダータロットについて
黄金の夜明け団の解釈を元にアーサー・エドワード・ウェイトがデザインした「ウェイト版タロット(「ライダー版」とも)」は、再びタロットに大きな変化を与えました。1909年に発売されアール・ヌーヴォー調の親しみやすい絵柄で大ブームに。日本だと現在でもウェイト版が占いに利用されることが多いです。
このタロットカードは、当時アーサー・エドワード・ウエイトが所属していた魔術結社「黄金の夜明け団(ゴールデン・ドーン)」の内部文書や「Tの書」などを元に作られており、絵はコールマン・スミスが担当。
黄金の夜明け団が教義の中心に据えていたカバラ的見地に基づいて整理・調整され、大アルカナのみならず、本来数札である小アルカナまで、全てが絵で表されているのが特徴。カードの順番も、黄金の夜明け団の西洋占星術的解釈に基づいて『力』と『正義』のカードが、従来の並び方と入れ替わっている。
しかし、タロットと同時に著された解説書には、団内文書やクロウリーの残した「777の書」などと違い、古くから一般的に使われてきた「逆位置解釈」が盛り込まれている。現代でも魔術結社の多くが逆位置解釈を採用していない事から見ても、団内の知識が安易に流出する事を避けたのではないかと思われる。
それ以外にも、カードの絵に使われている色彩が、実際のカード対応色と違っているものが78枚の内に数枚あると研究者は語っている。この色彩に関しては、戦後、印刷技術の発達や、商品としての美しさを求めてかなり改変されていることは明らかで、現在では本来の色彩を復刻したオリジナル版が発売されている。
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